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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

中国のデフォルト騒ぎで円売り一服!?

日銀が昨日の金融政策決定会合で政策の現状維持を決定する中、黒田日銀総裁が当面は政策調整の必要はないと発言したことを受け、やや円売りに傾斜した場面もあったが、市場はウクライナ情勢への警戒感もあり、依然として、上値の重さが意識される中、ドル円は再び103円割れとなり、相対的なリスク回避の動きは健在といえる。

一方、特筆すべき材料のないものの、中国の社債市場では初のデフォルトが発生しており、中国経済の不透明感がより一層高高まりつつある。市場の一部では今後もデフォルトが起こる確率が高まるとの警戒感が広がっている。中国経済の鈍化が鮮明になれば、中国の金融市場に対する不安感が安全通貨の円買いを誘引する可能性もあり、一応、ドル円102円円割れも視野に入れて臨むことが得策であろう。

他方、ユーロドルは先のドラギECB総裁が会見でタカ派的な発言に終始したことを受けて、1.38台の高値圏で推移しているが、昨日、コンスタンシオECB副総裁は今回のECB理事会でユーロ圏の需給ギャップを強調することによってフォワードガイダンスをより明確に示したと発言したほか、必要なら利下げもしくは量的緩和という形でとり得る政策手段がまだあると述べている。そして、ECBのラウテンシュレーガー専務理事もECBの政策上の選択肢は尽きておらず、必要に応じて行動すると表明しており、市場はユーロ買いに過剰反応している嫌いがあるため、当面は戻り売りに専念することが得策であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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