ドル円102円台&ユーロドル1.37台回復!試行錯誤の段階?
ウクライナ情勢や中国経済への不透明が高まる中、昨日イエレンFRB議長は質疑応答において、悪天候がどの程度影響したか言及し難いとした上、当面、緩和的な金融政策は適切であると指摘している。悪天候が一部経済に影響しているが、QE縮小を変更するにはかなり大きな変化が必要と述べている。そして、利上げに関しては、失業率が6.5%の基準をかなり下回ってから実施する旨を強調している。また米経済が正常に戻るにはもう数年かかると慎重な見解に終始しており、市場の反応は限定的になっている。
一方、ドラギECB総裁はインフレに下振れリスクがあれば、直ぐに行動する用意があるとしたほか、相当の期間の低インフレの中にあるがデフレには陥っていないとしている反面、ユーロ経済の回復は緩やかで一律ではないと懸念を示している。現時点では来週のECB理事会においては利下げを実施するかは定かではないものの、昨日発表されたドイツ消費者物価が予想を下回ったことから、本日のユーロ圏消費者物価は弱い内容になるとの警戒感もあり、更なる追加金融緩和策は払拭できてはいない状況にある。ユーロドルは1.37台を回復しているが、依然として、短期筋によるユーロの戻り売りが優先されやすい相場環境にあるだろう。
他方、米株式市場ではFRB議長の証言内容を好感する中、NYダウ平均株価は74ドル高、そして、S&P500は史上最高値更新しているにもかかわらず、日経平均株価は小幅安と伸び悩んでいる。本日発表される米10〜12月期GDPや明日発表される中国経済指標に警戒感を強めており、本日の為替市場はポジション調整の動きが強まる可能性があるため、引き続き直近のレンジ幅で待機策が賢明であろう。