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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

株高期待強まる!円安相場に傾斜?

今週は主要な経済指標もない中、相対的にポジション調整主体の展開が予想されるが、昨日の米株式市場ではS&P500が過去最高値を更新するなど堅調な株価動向がドル円相場を後押ししている。その中、市場の関心は日経平均株価が心理的節目である15000円台を如何に回復できるかに集まっているが、既に同レベルを早朝に回復しており、出遅れ感のある日経平均株価の動向推移次第では再度103円トライも時間の問題になりつつある。ただ、消費税引き上げ前にして、アベノミクス効果がやや脆弱性が帯びていることが懸念されており、ある程度のポジション調整売りをこなしながら、段階的な円売り相場と判断するのが無難であり、ドル円103円前後では一旦清算することも一考であろう。

一方、ユーロドルはドイツの景況感指標が予想外に強かったこともあり、底堅い展開になっているが、相変わらず戻り売り優勢の域を脱しておらず、更に買い上げる機運には至っていない。その中、ウクライナの財政破綻が報じられているが、金融面ではユーロ圏とロシアが支援協議の行っていることが伝えられており、ユーロへの影響は限定的との見方が支配的になっている。依然として、ユーロ主導の展開ではなく、日米の株価動向並びに経済指標に左右される展開には変わりがなく、ドル円と同様に狭いレンジ幅の攻防が余儀なくされている。

他方、来週にECB理事会を控えている関係上、総じて、積極的にポジションをどちらにも傾けづらい状況は否めないが、依然として、追加緩和策として利下げ観測がある以上、上値は限定的と見なした方がリスクは軽減されるだろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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