不安定な株価!試行錯誤が続く?
特筆すべき材料のない中、シドニーで開かれた20カ国地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は多くの先進国で金融政策が当面緩和的な必要があるとする一方、今後5年間にG20の経済成長を押し上げる協調行動を公約する共同声明を採択して閉幕している。総じて、G20に関する内容は想定範囲であるが、金融緩和策が改めて打ち出されているため、株式市場にとっては好結果とも解釈できる。ただ、乱高下を繰り返している不安定な株価動向が沈静化するまでは、為替相場は神経質な展開を余儀なくされている。
一方、先週発表された1月の米中古住宅販売件数は予想を下回り、2012年7月以来の低水準に落ち込むなど、依然として、米経済指標は弱含みの傾向を強めている。ただ、市場には1月及び2月の経済指標の数値に関しては、悪天候との憶測が浸透しており、市場のドル売りの反応は希薄になっている。その中、ドル円は一時102.80円近辺まで上昇したものの、相変わらず103円台では利食いや実売りが大量に控えており、ドル円は再び102円台半ば前後で膠着度を強めている。
他方、ブラード・セントルイス連銀総は、ここ最近の弱い経済指標は恐らく悪天候によるものと指摘している。また、米国では6%が完全雇用ということになるだろうと米経済の先行きに対しては楽観的な見通しを強調しており、積極的にドル売りを敢行する難しさがある。そして、市場ではウクライナ情勢に対する懸念があったものの、早期終息期待が強まり、ユーロは買い戻されているもののドル円と同様に1.38前後が重石になっている。