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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

不透明な米経済指標&不安定な株価動向!小波乱必至の展開?

昨日発表されたNY連銀景気指数や住宅関連指標が弱い内容となったことから、相対的にドル売りがやや優勢になっている。2月のNAHB住宅市場指数は46と前回56から大幅に低下、昨年5月以来の水準にまで低下するなど、連日のように米経済指標が悪化傾向を示している。概ね悪天候による影響が徐々に浸透していると思われるが、米経済への回復期待は根強く、一時的な現象との見方も少なくない。ただ、ドルを積極的に買い戻す雰囲気は削がれていることは無視できず、ドルの上昇局面では戻り売りに妙味が生じている。

一方、昨日は日銀の成長支援融資拡大の決定を受けて、出遅れ感のある日経平均株価は450円高と急反発に転じたことからドル円の下値は限定的になっている。ただ、依然として、ドル円103円台では実需や利益確定売りが散見される中、早朝から日経平均株価が軟調に推移しているため、改めて上値の重さが意識されている。短期筋としても、どちらにも積極的に仕掛けづらい状況にあるが、当面、戻り売りを優先することが一考であろう。

他方、ユーロドルは円売りとドル売りに圧された格好で一見底堅い展開を見せ始めている。一時ユーロドルは1.37台後半まで買い戻されてはいるが、昨日発表されたドイツの景況感指標は弱い内容となり、依然として、ECBの利下げ観測は根強い中、マイナス金利導入の可能性も払拭できておらず、ユーロ独自の買い材料は希薄になっており、当面、過度なユーロ高期待は自重局面に差し掛かっていると言わざるを得ないだろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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