新興国不安解消せず!ドル&円買い優勢?
先週発表されたユーロ圏消費者物価指数は前年比0.7%と低インフレが懸念される内容となる中、ドイツの小売売上高も予想外のマイナスに陥ったことが嫌気される中、今週のECB理事会において、欧州中央銀行(ECB)がデフレ対策を迫られるとの見方から早期の利下げ観測が浮上したことを受けて、ユーロ売りが加速し、1.35割れへと警戒感を強めており、総じて、市場はドル買いと円買いが優勢になっている。
一方、新興国市場をめぐる懸念は根強く、逃避通貨としての円買いが加速し、一時102円割れの展開を見せている。ただ、米株価や米国債利回りが下げ渋ったこともあり、ドル円は102円台を辛うじてキープしている。今後も新興国への不安が更に広がれば、市場は徐々にドル円100円前後が意識しなければならないかもしれない。
他方、ダラス連銀総裁やサンフランシスコ連銀総裁の発言が伝わっているが、当面、FRBは新興国の動きを注視しているものの、FRBのこれからの政策に影響されることはないとの認識を示しており、QE縮小開始に変化は見られておらず、今後もドルの流動性が欠如する可能性があり、ドル並びに円を買い戻す動きに傾斜している。
いずれにしても、今週はECBの政策金利や米雇用時計が控えており、前述したようにECBの利下げ観測、そして、米雇用統計への期待感があるだけに、ドルの下落局面ではドルロングに移行することが一考であろう。