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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

FRBのQE縮小規模に揺れる展開!?

昨日発表にされた米耐久財受注が予想外に減少したものの、その後発表された米消費者信頼感指数が8月以来の高水準となるなど、結果的には相殺された格好であり、市場は今晩のFOMCの動向に一層注目が集まっている。市場は依然として、新興国への懸念は懐疑的ではあるが、昨日のNY株式相場は4営業日ぶりに反発に転じ、ダウ平均は前日比90ドル高の15928ドルで引けており、株安が一巡したことを受けて、ドル円は一時103円台まで買い戻されるなど、相対的にリスク回避の動きは一服しており、円売りに安堵感が生じている。

一方、FOMCでは新興国市場に対する配慮から、一部では今回はQE縮小を見送るのではとの見方も浮上している反面、事前予測どおりにFRBは米景気回復期待を背景に現行の750億ドルから100億ドル縮小し、月間650億ドルの債券購入を表明してくるとの見方は依然として優勢である。投機筋としてもどちらにも積極的に仕掛けづらい相場環境にあり、ある程度の乱高下は想定せざるを得ないだろう。単純思考にはなるが、QE縮小規模が100億ドルを上回ればドル買い、下回ればドル売りで対処することも一考であろう。

他方、ユーロドルはユーロ圏経済に対する根強い不安やFRBの前向きな出口戦略から、一時1.36台前半まで下落したが、トルコが通貨安やインフレ懸念を背景に政策金利7.75%から12%まで大幅に金利を引き上げることを決定したことから、ややユーロを買い戻す動きが散見されるなど、現時点では1.37台の重さを意識しながら、引き続き下値不安は拭えない状況にあり、当面、ユーロドル1.37台以上からのロングは敬遠することが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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