円高志向強まる!難易度高し少な目の売買で対応?
先週は中国経済の失速懸念やアルゼンチン通貨の急落など、様々な悪材料が噴出する中、リスク回避による円買い志向が強まっている。アルゼンチンはペソの買い支えに必要な外貨準備が不足していることもあり、一気に18%安ほど急落したことを受けて、相対的に安全通貨である円買いに市場は大きく傾斜する中、ドル円は102円割れ近辺まで下落基調を強めている。
一方、日欧の株価が続落する中、NYダウ平均株価は318ドル安で引けており、相対的にはストップロスがストップロスを呼びこむ展開となっている。総じて、為替相場の難易度が高まる中、米連邦準備理事会(FRB)が一段と緩和縮小を進めるとの観測が高まりつつある。FRBが29日の連邦公開市場委員会(FOMC)で現在月額750億ドルのペースで実施している債券買い入れ規模を100億ドル縮小するとの見方が優勢になっており、新興国からの資金流出懸念が広がるとともに、相対的なリスク回避の動きが強まり、株安円高の構図を一層強めている。それ故に、当面、ドル円ロングは自重せざるを得ない外部環境に置かれているドル円100円を一気に試すほどの展開ではなく、もう一段の下落局面ではドルの反動買いも予想されるだけに、引き続き株価動向を睨みながら101〜103円のレンジ幅で対応することが賢明であろう。いずれにしても、市場全般が様変わりしているだけに、少な目の売買で対応することは一考であろう。
他方、ダボス会議においては安部首相を始めに各国から要人発言が相次いでいるが、ドラギECB総裁はECBの緩和的な金融政策が実体経済にようやく波及しはじめており、インフレは相当の期間ECBの目標水準を下回るだろう、そして、ユーロ圏にデフレは見られないとの論調を繰り返しているにとどまり、ユーロドルの反応は限定的になっている。