ドル全面安も調整段階!更なるドル売りに要注意?
NYダウ平均株価が一時200ドル超安となる中、米10年債利回りは一時2.76%割れまで低下したことを受けて、円買いドル売りが加速しており、様変わりの様相を呈している。ドル円は一時103円割れの段階になると見切売りが優先されるなど、改めてドル円105円前後の上値の重さが意識されており、また、ユーロドルも1.37台に接近するなどドル全面安の状況に陥っているが、ただ、来週のFOMCを控えて、更なるドル売りに歯止めが掛かりやすい外部環境なだけに、過度なドル安並びに円高局面は想定しにくい状況にある。
一方、昨日発表された中国のHSBC製造業PMIが弱かったこともあるが、米新規失業保険申請件数は32.6万件と改善傾向が続いたにもかかわらず、米中古住宅販売件数が年率487万件と予想493万件を大きく下回ったことで、リスク回避の動きが強まると共に、株安と債権利回りの低下を促した模様であるが、相対的に米経済への回復期待に過剰感が生じていただけに、想定以上にリスク回避による円買いとドル売りの動きが優先されている。ただ、ドル円103円割れではポジション調整や利益確定、そして、実需買いが散見されており、同レベルからのドル円ショートは自重局面にあると見なしたほうが無難であろう。
他方、安部首相の一連の強気発言は一応の評価を得る中、日本経済の復活は円買いに繋がるのが自然体との見方も浮上しつつある。当面、更なる円安には株高が求められるが、既に円安がかなり浸透している相場環境にあり、総じて、調整相場の域にあるため、ドル円の戻りは鈍くならざるを得ないだろう。それ故に、慎重を期して、もう一段の円高局面を視野に入れて対応することが賢明であろう。