過度な円安期待後退!104〜105円のレンジ相場継続?
米10年債利回りが上昇したことを受けて、ややドル買いが優勢の中、NYダウ平均株価が軟調に推移していることもあり、ドル円は104円台前半、そして、ユーロドルも1.35台半ば前後で膠着度を強めている。短期筋としても、新たな材料が出るまでは積極的に動きづらい相場環境にあることは否めないだろう。
一方、安倍首相はダボス会議の基調講演においてアベノミクスに関して言及、抵抗が強い岩盤規制について向こう2年間、いかなる既得権益と言いながらも無傷でいられないとした上、国家戦略特区などを突破口に集中改革すると表明している。そして、法人課税を国際相場に照らして競争的なものにしなければならないとし、2014年は更なる法人税改革に着手する方針を示す中、日本経済は長く続いたデフレから脱け出ようとしており、今年は久方ぶりの賃金上昇で消費が伸びるとしており、日本経済の回復に自信を覗かせている。ただ、安部政権誕生以来、ドル円は88円台から105円台へと円安が急ピッチに進行している関係上、更に円売りを促す材料としては迫力不足とも解釈できる。
他方、円安による物価上昇や消費税引き上げなどのマイナス要因が問われている中、従来のような円安ピッチは望めないとの見方も支配的になりつつある。反面、これから本格的に開始されるFRBの量的緩和の縮小により、ドルの流動性が問われていることもドル買いの支援材料となっているが、資源国通貨である豪州やカナダなどを含み、欧州圏でも景気刺激策の一貫として、自国通貨安が唱えられているため、過度な円安期待は自重局面に差し掛かっているのかもしれない。