ドル全面高も反動売りに警戒!?
先週の米12月の住宅着工件数は9.8%減と4月以来の大幅な落ち込みとなったものの、前月の数値が高水準だった反動との見方が支配的である中、米第4四半期の鉱工業生産指数は6.8%上昇し、約3年半ぶりの大幅な伸びを示している。その中、米労働省が発表した11月の求人件数は400万件と08年3月以来の高水準に達しており、米量的緩和縮小が継続的に実施される可能性が更に高まっている。相対的にドルの市場流動性低下が懸念される中、新興国並びに短期筋などのドル買い需要は根強いものがある。
一方、ラッカーリッチモンド連銀総裁が雇用は明らかに回復軌道にあり、12月米雇用統計は特殊な例とし、6.5%の失業率はなお有効する旨の見解を述べている。その中、NYダウは反発に転じ、依然として、ドル買いニーズは旺盛である反面、ユーロドルは節目である1.35割れへと警戒感を強めおり、また、有資源国通貨である豪ドルやカナダドルの急落が目立つなど、ドル全面高の様相を呈している。ただ、今週はドルの反動売りも警戒されているように一方的にドルを買い上がる機運は希薄になりつつある。
他方、先の米雇用統計以降から、徐々に円売り志向は削がれているが、シカゴIMM通貨先物市場において円ショートの積みあがりはやや改善されているものの、未だに12万枚前後の高水準にあり、徐々に、ドル円105円台が重石になっていると言わざるを得ない。