波乱含みの展開!過度な円高期待は自重?
先週末に発表された米雇用統計を受けて円買いに弾みがついている。米雇用統計は失業率
が6.7%に大幅に改善する一方で、非農業部門雇用者数は7.4万人増と予想を大きく下回っ
たことでサプライズ的にストップロスを巻き込む格好で円買いに走っている。一時ドル円
は103円台前半まで下落基調を強めるなど、市場全般が様変わりの様相を呈していると言
わざるを得ない。ただ、米労働局は労働参加率が大幅に低下した要因は季節的要因も含め
て、大雪による悪天候が大きく影響したと指摘しているように、今回の数値のみでは米経
済の回復期待が削がれたとは言い難い側面がある。当然ながら、1月の雇用統計も悪化が予
想されるが想定されるほど落胆する内容ではないとの見方も少なくなく、ドル円103円割
れからショートは自重局面とみなした方が無難であろう。
一方、米10年債利回りは2.85%割れまで低下したことなども、ドル売りの圧迫要因になった
模様である反面、懸念されていた投機筋の円ショートの積み上がりがどこまで解消したかに関心
が集まっている。当面、ドル円の戻りは鈍くならざるを得ないが、株式市場における値崩れが限
定的になっているため、過度な円高局面にも限界が生じやすい外部環境にはある。
他方、ドル安にもかかわらず、ユーロドルの値動きは限定的であるように、米欧との金融政策の
格差が材料視される中、徐々に1.37台が重石になっており、同レベルからのロングを自重する
と共に、同レベルからの戻り売りを優先することが一考であろう。