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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米雇用統計待ちで一進一退!?

昨日発表されたADP雇用統計が強い内容となったことで、週末の米雇用統計への期待感が強まっている。為替市場ではドル買いが優勢となる中、NYダウが軟調気味に推移しているため、ドル円105円台の上値の重さが意識されている。当面、105円台を再トライするには明日の米雇用統計の動向を見極めてからと言わざるを得ないだろう。

一方、米連邦準備理事会(FRB)が公表した12月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、多くのメンバーは債券買い入れ規模の縮小を慎重に行うことを前提とし、一段の縮小があらかじめ決まった路線にはない旨を強調している。また、一部メンバーからは資産買い入れペースの縮小が、予想以上に速いペースで緩和政策を解除するシグナルだと誤って解釈されれば、意図せぬ金融引き締めを招く恐れがあるとの懸念を示すなど、相対的に米経済の回復維持に対して慎重姿勢を示すと共に、順調に推移している株価動向に配慮した見解が多く見られており、ドルを買い戻す動きにも繋がっている。

他方、ユーロドルは一時1.35台半ば前後まで下落し、総じてドル買いに圧された格好であるが、明日にはECB理事会が予定されているため、ユーロドル1.35割れを試すほどの展開には至っておらず、過度なユーロ安期待は自重局面にある。いずれにしても、ECB理事会は今まで通りに金利据え置きが見込まれており、ドラギ総裁の会見に注目が集まるだろうが、市場の関心は米雇用統計に集中しており、当面、1.3500〜1.3650のレンジ幅で売買を模索するしか妙味はないだろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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