量的緩和縮小開始で市場は様変わりの様相!調整色強まる?
米連邦準備理事会(FRB)は量的金融緩和の縮小に着手することを決定する中、2014年1月から月額850億ドル規模の証券購入額を100億ドル減額し、750億ドルとする旨を発表している。その後、バーナンキFRB議長は記者会見で政策措置は経済が進展しているとの見方を示唆する中、更なる進展が必要であり、最近の経済指標から労働市場の伸びが継続するとの見通しを述べている。また、財政面でも向かい風は弱まる見通しであるが、回復はまだ完全ではなく、現状のフォワードガイダンスを強化し、失業率が6.5%に低下するまでは、かなり緩和的な金融政策は依然として適切と述べている。
一方、NYダウ平均株価はFOMCの結果を好感し、一時250ドル超上昇し、16000ドル台を回復している。米経済回復期待が増幅する中、円相場も円安の動きが強まり、ドル円は約5年2ヶ月ぶりに104円台まで上昇、そして、ユーロドルも1.37割れまで低下するなど、市場は様変わりの様相を呈している。今後も株式市場への期待感と共に、年末に向けたドル需要が拡大する可能性から、早ければ年内にもドル円105円台が視野に入っても何ら不思議ではない相場環境にある。
他方、今回のFOMCの縮小措置を受けて、ユーロドルは1.37割れへと下落を速めているが、英国の失業率の改善を受けたリスクヘッジを伴うユーロポンド売りが散見されるなど、相対的にユーロの上値の重さが意識されている。ただ、株式市場には過熱感があり、ドルの一方的な上昇は懐疑的と判断するのが無難であり、今後は株及び為替市場には調整色の強い相場展開が予想されるだけに、ポジションを拡大することなく、ドルの下落局面での買戻しを優先すること一考であろう。