豪ドル高けん制発言続き、豪経済ジレンマ状態!?
本日のFOMC結果発表を前に、相場全般が調整主体の展開を余儀なくされている。その中、円ショートの積みあがりを懸念する動きが強まり、ドル円は102円台半ば近辺まで下落、そして、ユーロ円は一時141円を割り込むなど円を買い戻す動きが散見されている。ただ、調整段階の円買い局面であり、当面、下値は限定的とみなした方が無難であろう。
一方、ユーロドルは、ドラギECB総裁が当面、追加のLTROを行う考えはないことを示唆したことを受けて、ユーロ圏における流動性低下を踏まえて、銀行間取引で短期金利が一段高となったことから、ユーロ買いが促進されているが、それ以外には特にユーロを積極的に買い上げる材料は希薄であり、再び、ユーロドル1.38台の上値の重さが意識されている。
他方、スティーブンス豪中銀総裁は、再び異例とも思われる為替水準について自ら言及、対ドルで0.90を超える豪ドル高は経済にふさわしくないとした上、豪ドルは、依然として、不快なほど高く、絶対為替介入しないとは言ってはいないと牽制発言を繰り返している。同総裁は先の発言で豪ドル0.8500前後が適正水準と述べている関係上、年初来安値圏である0.8850近辺が意識されている。一部ファンド勢からはポジション解消の動きが早まるなど、豪ドル全般の重石に繋がっており、また、豪州は12月3日に政策金利2.5%を据え置いたが、同総裁は追加利下げの是非について予断を持っていないと述べるなど、緊張感が更に強まっている。今後も豪州経済の低迷が続けば、遅かれ早かれ2%前後まで低下する可能性も視野に入りつつある。ただ、豪ドル安による経済効果は期待されるものの、キャリートレード解消の動きが更に強まり、更に豪ドル離れが振興すれば、豪経済の打撃も少なくなく、豪経済はジレンマに陥っているのが現状なのかもしれない。