FOMCを控えて盛り上がりに欠ける展開!?
市場は本日から始まるFOMCの結果待ちの状況であり、昨日発表されたNY連銀指数や鉱工業生産などは予想を上回る好調な内容だったにもかかわらず、市場の反応は限定的になっている。相次ぐ米経済指標の好結果を背景にして、QE3縮小開始時期が早まる可能性は一層高まっている反面、政策金利に関しては据え置きが決定的であるため、市場の関心は今後実施される縮小規模に移行している。ただ、株式市場が順調に推移している事を踏まえると、潤沢なドルの流動性資金を段階的に縮小せざるを得ない外部環境にある。また、市場はある程度のFOMCの結果を踏まえて、ポジション調整が浸透しつつあるだけに、余程のサプライズでも無い限り、市場の反応は限定的との見方が優勢になっている。
一方、ドル円相場は実需売買を主に103円前後で試行錯誤が続いているが、NYダウ平均株価は129ドル高と反発に転じたことから、株高円安期待が再燃しており、徐々に底堅さを取り戻しつつある。また、日米金利差が再び拡大傾向を示しているため、円売りにやや安堵感が生じている。
他方、昨日ドラギECB総裁は欧州議会での議会証言で基調的な物価圧力は抑制されている。
第4四半期は小幅な成長を予想しているが、成長へのリスクは下向きとし、ECB緩和的な金融政策スタンスは回復を支援、政策金利を長期に渡り現行もしくはそれより低い水準に留めると旨を指摘している。内容的には前回の発言を繰り返しているため、ユーロドルもドル円と同様に1.36台半ば前後で試行錯誤が続いている。
いずれにしても、本日はFOMCを控えて、相対的に盛り上がりに欠ける相場環境は否めないだけに、直近のレンジ幅で待機策が賢明であろう。