円安一服!再び年初来高値に向けて始動?
特筆すべき材料の無い中、NYダウ平均株価が反落に転じており、ドル円は103円割れへと円安は一服しているが、依然として、年初来最高値である103円台後半の更新を意識せざるを得ない相場環境にある。むしろ、円買いが一巡したことにより、再度103円台が回復した場合には、円売りに弾みがつく可能性も浮上しており、過度な円高期待は自重局面と言わざるを得ない。いずれにしても、円ショートの積みあがりと年初来高値更新との綱引き相場と化している嫌いがあるため、当面、安全を期する意味でも102〜104円のレンジ幅の中で売買を模索するしかないだろう。
一方、欧州連合(EU)財務相理事会は、欧州銀行同盟によるユーロ圏の銀行の破たん処理制度がまもなく合意に達するとの見方が大勢を占めており、欧州財政危機に対する懸念が和らいでいるとの見解が少なくない。ただ、前回のECB理事会ではマイナス金利導入に関しては言及を控えているが、潜在的な追加緩和策は払拭されておらず、引き続き、ユーロの戻り売りに重点を置いたシナリオが得策であろう。
他方、ユーロの急ピッチの上昇に過熱感も生じる中、一部では1.400台に向けて順調に推移するとの思惑も働いているが、一部関係者からは短期筋並びに新興国側からのユーロを買い戻す動きが鈍くなっているとも伝わるなど、ユーロドル1.38台以上からの高値掴みに警戒心を強めている。