外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >ドル円年初来高値意識し底堅い展開!?

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円年初来高値意識し底堅い展開!?

手がかり難の中、予想より強い結果となった先の米雇用統計を受けて、市場では堅調な株価を背景として、米量的緩和縮小時期が次回の12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)と来年3月のFOMCに二分されている嫌いがある、昨日も各連銀総裁の発言が相次ぐ中、フィッシャー・ダラス連銀総裁は緩和縮小はなるべく早い時期に開始すべきと言及、ブラード・セントルイス連銀総裁は最近の指標は労働市場改善が今後数ヵ月間継続すると示唆し、次回会合での小幅な緩和縮小は最近の経済指標へのひとつと言及、そして、ラッカー・リッチモンド連銀総裁は追加緩和の効果は限定的とやや否定的な見解を示しているが、概ね、金利正常化に向けて、緩和縮小時期が早まる可能性が増幅している。ただ、世界経済におけるドルの流動性に大きな影響を及ぼすような大胆な量的緩和縮小は実施されないとの見方が大勢を占めており、あくまでも株式や債権市場に配慮した緩和策にとどまる可能性が一層強まっている。

一方、ドル円は年初来高値(103.74円)を意識しながら、103円台前半でもみあい相場と化している。引き続き、利益確定や実需売りをこなしながら上値を追う展開ではあるが、常に円ショートの積みあがりを懸念した上昇局面であるため、積極的な売買は手控えられている。仮に、年初来高値を更新すれば、必然的に105円台を目指した相場展開が予想されるが、当面、102.50〜104円のレンジ幅を駆使した戻り売買に専念することが得策であろう。

他方、ユーロドルはECBの利下げ観測が根強い中、ユーロの短期金利が上昇したことを好感し、徐々に底堅さを取り戻しつつあるが、特筆すべき更なる買い材料は乏しく、不安定な上昇局面であり、引き続き戻り売りを優先し、1.37台からのロングは自重することが一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド