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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

株価回復基調強まる!ドル円年初来高値に向けて再始動?

先週末発表された米雇用統計では、失業率が7.2%から7.0%まで低下、非農業部門雇用者数は20万人超の増加、そして、労働参加率も前回から上昇しており、総じて、強い内容であり、一時的にドルの買戻しが誘発されてはいるが、反面、量的緩和の縮小時期が早まるとの見方が浮上するなど、市場は全般的に混迷度を強める中、波乱含みの展開が予想される。

一方、NYダウ平均株価は大幅に反発に転じており、ドルを積極的に売られる地合いには至っていないが、次回12月FOMCでQE縮小開始が実施される可能生は低いものの、来春以降と思われていた開始時期が早まる可能性がある。その中、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁は米資産買い入れ縮小に着手することが賢明とした上、景気回復を踏まえ、緩和政策を緩やかなペースで縮小する方法を模索する必要を指摘している。ただし、QEの規模に上限設定する必要性も述べている。また、エバンス・シカゴ連銀総裁も11月米雇用統計は極めて歓迎すべき内容であり、緩和縮小開始時期に関し予断持たずと言及しているように、あくまでも段階的なQE縮小であり、株式相場への影響は限定的との見方が少なくない。

他方、ドル円は堅調な株価を受けて、再び103円台へと円売り志向が強まっている。未だに12月FOMCでQE縮小開始かどうかは不透明な状況ではあるが、ある程度の縮小策は織り込み済みでもあり、日米金利差拡大を背景にドル円は引き続き底堅い展開が予想される。そして、ユーロドルは先のECB理事会において、ドラギ総裁が追加利下げに触れなかったことがユーロ買いを後押ししているが、反面、円ショートが13万3千枚台まで膨れている関係上、短期筋としても、リスク回避を踏まえながら、ユーロを買い戻す動きにも繋がっている。ただ、1.37台以上では利益確定売りが散見されているように、一方的な上昇は見込みにくいのが現状であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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