米雇用統計改善期待VS早期QE縮小期待でジレンマ相場!?
昨日発表された米雇用指標やGDP改定値は好調な内容だったにもかかわらず、米株式市場は終始軟調に推移し、5日連続で下落して引けている。ドル円は株安を背景にして、102円割れへと下げ足を強めているが、依然として、米経済回復期待を背景に市場の円安期待は根強いものがあり、下値は限定的と見なすほうが無難であろう。
一方、本日の米雇用統計への期待感が強まる中、11月非農業部門雇用者数の20万人増も含めて、失業率や労働参加率が市場予想を上回る内容であれば、早期QE縮小期待が更に高まる可能性がある。株式市場にとってはマイナス要因との見方が先行しており、一部のヘッジファンドなどがドルロングを解消する動きが散見されるなど、ドル円の上値の重さに繋がっている。その中、ロックハート・アトランタ連銀総裁は12月FOMCでフォワードガイダンスの調整検討する可能性を述べ、12月FOMCで緩和縮小検討する必要ある旨を指摘していることも米ドル売りを誘引している。
他方、ECB理事会は事前予想通りに金利据え置きを決定する中、相対的に前回の金利引き下げの効果を見極めたいとの思惑が先行している。その後、ドラギECB総裁の記者会見では、ユーロ圏は長期にわたり低インフレに直面も必要な限り政策は緩和的に留まる旨を述べ、ユーロ圏成長へのリスクは引き続き下方向にあり、政策金利は長期にわたり現行水準かそれ以下にすることを指摘している。また、利下げの提案はなかったものの、マイナス預金金利の準備は技術的にできているとも述べており、追加的な金融緩和策は見込んだ内容になっており、ユーロを更に積極的に買い急ぐほどの地合いには至っておらず、1.37前後では戻り売りが散見されている模様。