調整局面入りも円買いは一時的現象!?
為替市場は依然として、株価主導の展開を余儀なくされているが、昨日発表されたADP雇用統計が予想外に強い内容となったことで、明日の米雇用統計への期待感から一時ドル買いムードが優勢になっていたが、反面、米量的緩和縮小時期が来年春以降から前倒しされるとの見方が浮上するなど、やや警戒感を強めている。今月のFOMCにおいて、量的緩和の早期縮小が検討されるとの思惑が働き、連日史上最高値を更新していたNYダウにも調整売りが入り易くなっている。ただ、株価の下落幅は限定的であるように、あくまでも一時的な調整局面入りとの見方が大勢を占めており、たとえ量的緩和縮小が早期に実施されたとしても、景気並びに株価維持のためには小規模にとどまる公算も高く、株価への影響は限定的との見方も少なくない。
一方、ドル円は一時92円割れの展開を見せているが、株価の下げ止まりと共に、瞬時に92円台半ば前後まで買い戻されているように、改めて底堅い状況が再認識されている。円ショートの積みあがりは懸念されるが、当面、ドル円92円割れからのショートは自重することが一考であろう。
他方、ユーロドルは相変わらず米ドル動向に左右される展開は否めないが、本日のECB理事会において、金利据え置きはほぼ決定的であるが、その後のドラギECB総裁の記者会見において、追加緩和や利下げに含みを残す内容になる可能性があるため、短期筋としても、ユーロドル1.36台の上値の重さを意識せざるを得ない状況にある。
その他では米地区連銀報告(ベージュブック)が発表されているが、経済活動は緩慢ないし緩やかなペースで拡大するなど、概ね事前予想通りの内容であるが、直近の米経済指標を裏付ける内容であり、明日の米雇用統計への期待感が一層増している。