円買い加速も調整の域脱せず、底堅い展開!?
昨日は特筆すべき材料のない中、ドル円は年初来高値103.74円を視野に入れてはいるものの、欧米株式市場が続落したことを受けて、円買いが加速する中、ドル円は一時102円割れまで下落したものの、同レベルでは利食い並びに実需買いが旺盛であり、102円台半ば前後まで盛り返している。市場は本日から始まる重要イベントを控えて、相対的に過熱感のある株式市場に対する調整売りが先行した嫌いがあるが、依然として、米経済に対する回復期待は根強く、今後も堅調な株価を背景にした円売り需要は根強く、改めて、ドル円の底堅さが再認識された相場展開とも解釈できるだろう。
一方、直近のシカゴIMM通貨先物(11月26日付)によれば、投機筋の円ショートの積み上がりが123,202枚と07年以来の水準まで拡大していることも、円を買い戻す動きに繋がっている。それ故に、現時点では過度な円安期待はやや後退していると言わざるを得ないが、今週末の米雇用統計の結果を見極めた上で、再度、年初来高値に向けて再トライする可能性が残っており、当面、ドル円102円割れからのショートは自重することが一考であろう。
他方、ユーロドルは買戻しが優勢となり、一時1.36台まで回復する場面も見られたが、明日のECB理事会においては、前回サプライズ的に利下げを実施した関係上、今回はほぼ据え置きは決定的であろうが、作日発表されたユーロ圏生産者物価指数が予想外に弱い内容であり、再利下げを示唆するようなハト派的な見解に終始する公算が高く、ユーロの買戻しの動きは限定的と言わざるを得ないだろう。まして、マイナス金利導入の可能性に触れた場合には1.35割れまで急落する可能性もあり、引き続き1.36台以上からの戻り売りを優先することが得策であろう。