米雇用統計の改善期待を背景にドル買戻し優勢!?
先週はNY市場が米感謝祭後の休場明けと月末が重なり、相対的に市場参加者が激減する中、株式や債券市場なども短縮取引であると共に、主たる米経済指標もなく、取引自体は閑散であり、いずれの通貨も小幅な調整売買を強いられている。
一方、ドル円はNYダウが小幅下落しているものの、引き続き102円台で底堅い展開を見せているが、今週末に発表される米雇用統計は一連の米経済指標の改善を背景に、概ね好調な数値にとどまることが予想されており、ドルの下値は限定的との見方が優勢である。今週は米雇用統計を筆頭に、米経済指標が目白押しであるが、雇用統計の結果如何では年初来高値でもある103円トライも意識せざるを得ない相場環境にある。
他方、ユーロドルは、クロス円全般に円売りが進行する中、ユーロ円は一時2008年10月以来の高値圏である140円近くまで接近した場面もあったが、反面、円ショートの異常な積みあがりを背景に高値警戒感も浮上しており、ユーロドル1.36台では利食い売りに圧される格好で伸び悩みの兆しを見せている。その中、格付け会社ムーディーズがギリシャの格付けを引き上げ、見通しを安定的にすると発表したことを受けて、やや買い戻しの動きも散見されたが、依然として、他の格付け会社S&Pとフィッチはギリシャの格付けは投資適格級より6段階低い。そして、ECBの追加利下げ観測は根強く、総じて、ユーロの戻り売りが優先されやすい地合いには変化は見られない。