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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

株価に過熱感!ドル円反動売りに注視?

FRBよる早期QE縮小期待は根強い中、米株式相場は前日比54ドル高の1万6064ドルで引け、連日で過去最高値を更新している。その中、ドルが対円で一時4カ月半ぶりの高値圏まで上昇、そして、日銀の緩和政策が当面続くとの見方を背景に日経平均株価が半年ぶりの高値圏まで推移するなど、相対的にドルを買い戻す動きが強まっている。

一方、ロックハート・アトランタ連銀総裁は講演で、イエレン副議長はFRBのトップとして大変良い資質を持っているとした上、米経済は緩やかな成長を見せている。緩和縮小は12月の会合で協議されるべきであるが、1月や3月にも協議すべきとし、縮小は経済と市場が準備できたら始めることを述べている。また、ジョージ・カンザスシティー連銀総裁も12月のFOMCでQE縮小は検討される旨を発言しており、米量的緩和策は来年以降に持ち越されるとの公算が大勢を占めている。

他方、ユーロ圏では、タルーロFRB理事が影の銀行システムについて、証券を介した資金調達など金融規制改革の対象から外れたホールセール資金市場がまだあり、連邦預金保険公社(FDIC)が保護対象としている預金よりも、はるかに大きなリスクを抱えている可能を述べるなど、尚も、金融安定のためには包括的な対策が必要との認識を改めて示している。そして、ヘッジファンドを筆頭にして、短期筋はユーロショートの解消を急いでおり、1.35台で底堅い状況を見せている。ただ、ECBによるマイナス金利導入の可能性が払拭されておらず、戻りは限定的とみなした方が無難であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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