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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

時期尚早もドル円年初来高値103円台目指す展開!?

米株式市場ではNYダウ平均株価が3営業日ぶりに反発、前日比109ドル高と終値で初めて1万6000ドルを上回り、過去最高値を更新している。米雇用指標の改善を受けて、ドル買いが進行する中、ドル円は101円台を難なくクリアーしており、今年5月につけた年初来高値の103円台が徐々に視野に入ると共に、ドル円100円台が定着化の傾向を示している。

一方、ドラギECB総裁は先の理事会後の記者会見で、経済状況に正当化されれば、マイナス金利に踏み切る技術的な用意は整っているとの見解を示していると発言、そして、ECB関係筋からも、ECBが中銀預金金利のマイナスへの引き下げを検討、実際にマイナス金利の実施を決定する場合には、マイナス0.1%とすることを検討すると報じられるなど、総じて、ユーロロングを解消する動きが強まっており、ユーロドル1.35台の上値の重さが意識されている。

他方、昨日、ドラギ総裁は、中銀預金金利をマイナス圏に引き下げることに関して、何かを推測しようとしないで欲しいと暗に否定的な見解を述べている。また、アスムセンECB専務理事はマイナス金利に頼るのは危険と言及した上、可能性は排除しない旨を指摘するなど、未だにマイナス金利導入に関しては、不透明感を拭えない状況に置かれている。ただ、ECB理事会が予想外の利下げを実施した後だけに、利下げ後の成り行きを見極めたいとも思惑があり、拙速気味にマイナス金利導入に移行するには軽率との見方が広がっている。その中、ユーロドルは1.34割れでは値ごろ感の買いや円安に助長された格好で1.34台後半まで上昇しているが、いずれにしても、ドルと円主導による相場展開であり、当面、1.3400~1.3550のレンジ幅で売買を模索することが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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