ドル円100円目前で難航必至!?
今週は主だった米経済指標も少なく、総じて、手掛かり難は否めないが、先週の強い米雇用統計を受けて、早期QE縮小開始期待が増す中、堅調な株高を背景にして、米景気回復期待は一層高まりを見せており、米10年債利回りは再び上昇過程にあり、ドルを買い戻す動きが強まっている。
一方、昨日、ロックハート・アトランタ連銀総裁は雇用とインフレの数値が緩和縮小に極めて重要とした上、12月のQE縮小開始の可能性が十分あると指摘したこともドル買いを後押ししており、早くもドル円100円トライが現実味を帯び始めている。ただ,同氏はFRBの2%目標に向って上昇する兆候あまり見られず、米政府期間の閉鎖で12月にかけて経済指標の信頼度が通常より低くなる公算も述べている。そして、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁は債券購入ペースの縮小、超過準備金利引き下げなどにより金融刺激を拡大すべきとし、インフレが抑制されている限り、失業率が5.5%に低下するまで低金利を維持するよう改めて主張している。依然として、米QE縮小時期が年内になるか、それとも来年以降に持ち越されるかは微妙な段階にはあると言わざるを得ないだろう。
他方、米連邦準備理事会(FRB)の次期議長であるイエレン氏がFRB新議長就任するまでは、QE縮小はありえないとの見解は少なくないが、当面、14日の上院銀行委員会の公聴会において、今後の金融政策の方針が明らかになる可能性があり、結果を見極めるまではドルを買い上げる難しさもある。その中、ユーロドルは1.34台半ば前後まで上昇し、先週のECB利下げの影響は一巡した可能性が高いが、依然として、追加利下げの可能性も含めたポジション調整売りが散見されており、ユーロドル1.35台まで上昇するほどの回復力はないと判断するのが無難であろう。