金融政策で米国が一歩リード!ドル買戻しに妙味?
NY為替市場と債券市場が休場の中、米景気が順調に回復しているとの観測を背景に米株式市場は21ドル高と小幅に続伸、1万5783ドルと史上最高値を更新して引けており、ドルを買い戻す動きが続いている。株高を背景にドル円は99円台で底堅い展開になっているが、ただ、ドル円100円台を復活するほどの地合いではなく、引き続き98.50~99.50のレンジ幅を維持している状況にある。
一方、今週は主だった経済指標はないものの、先のECBの利下げを背景に、14日に発表されるユーロ圏7〜9月期のGDP速報値が注目されているが、既に、EU欧州委員会は2014年のユーロ圏の経済成長率見通しを下方修正している関係上、改善期待は後退しており、ユーロを買い戻す動きは弱まっている。ただ、ユーロドル1.33前後では値ごろ感を踏まえた利益確定買いなどが散見されるなど、ECBの利下げによるストップロスの動きは一巡している可能性があり、下値は限定的になっている。
他方、今回ECBが利下げを実施したことにより、日米欧の金利水準がおしなべて0~0.25%となり、金利操作としては、マイナス金利導入しか以外残っていないが、実際問題として、ECBのマイナス金利導入は非現実的であり、現時点では米国の緩和縮小期待が先んじている。それ故に、政策手段の一環としては、米国が一歩リードしていると言わざるを得ないが、相対的にはドルの買戻しに傾斜した方がリスクは軽減されるだろう。