日米欧の金融緩和策長期化!株高に貢献も過熱気味?
NYダウ平均株価は128ドル高の1万5746ドルとなり、過去最高値を更新しており、依然として高値警戒感はあるものの、総じてドルの底堅さに繋がっている。その中、市場は本日のECB理事会や明日の米雇用時計に関心が集中しており、為替市場全般は微調整に終始している。
一方、ユーロ圏では、昨日発表された9月のドイツ工業受注指数が前月比3.3%上昇し、市場予想を大幅に上回ったことを受けて、欧州中央銀行(ECB)は事前予想通りに現状維持である0.5%の金利据え置きは決定的であろうが、その後のドラギECB総裁の記者会見において、今後の利下げの可能性を如何に示唆するかに注目が寄せられており、ユーロドルは1.35前後で試行錯誤を強いられている。いずれにしても、市場の関心は明日の10月米雇用統計にあるため、ユーロ相場を大きく動意付ける展開にはなりにくいが、当面、無理をせずに1.3400~1.3600のレンジ幅で売買を模索するしか妙味はないだろう。
他方、本日は本邦の景気動向指数や英欧中銀金融政策発表に加えて、NY時間には米GDP速報値(第3四半期)が予定されているが、好調な米株価動向にもかかわらず、米GDP速報値は前期比年率2.0%と鈍化する見込みになっており、ドルを積極的に買い上げる難しさも浮上している。ただ、11月末のヘッジファンドの決算期を控える中、短期筋としては、米量的緩和の縮小時期への不透感、そして、ECBの根強い利下げ観測など売買勢量が多様化しつつあるため、相対的にポジションの手仕舞いが優先されているとの声が少なくなく、ある程度の乱高下を想定した上で逆張り待機で臨むことが一考であろう。