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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ急落でドルのリバウンド一巡!?

市場は全般的にユーロの急落に警戒感を強める中、欧州中央銀行(ECB)が向こう数カ月以内にも追加緩和の実施を迫られるとの見方が高まっている関係上、ユーロは独歩安の展開を強いられている。市場には、最近のユーロ対する過熱感があったことを踏まえたポジション調整売りを主体にユーロは調整入りの段階に差し掛かっている。今後も中期チャート上では、更に下値を探る余地は残されている反面、ユーロドルは1.38台の高値圏からの急落局面でもあり、対ドルで約2週間ぶりの安値圏である1.35割れになったことから、更に売り込みづらい状況は否めないだろう。

一方、欧州中央銀行(ECB)の政策決定を7日に控える中、ユーロ圏の製造業景気指数改定値が50を上回り、また、ドイツ10月の製造業PMI確報値も予想を上回るなど、ユーロドルは若干持ち直している。ただ、依然として、損失確定売りに圧されており、戻りは限定的と見なしたほうが無難であろう。

他方、先の米財政問題や米議会の混乱などを足がかりに、ここ最近はアジア中銀やファンド勢の流動性資金がドルからユーロにシフトされていたが、その流れも一巡していることなども、ユーロの上値の重さに繋がっている。昨日は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)理事などの要人発言が相次いでいるが、量的緩和縮小に慎重になっており、ややトーンダウンしている嫌いがある。その中、NYダウは続伸、ドルの買い戻し志向が高まると共に、ドル円は98円台で安定的に推移している。ただ、99円前後では実需並びに利益確定売りが散見されており、ドル円は小幅なレンジ相場と化すなど、直近のレンジ幅で対応することが一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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