ユーロ急落で仕切り直し!?
ユーロ圏の10月の消費者物価指数(CPI)が約4年ぶりの小幅な上昇にとどまると共に、9月の失業率は12.2%と過去最高水準にあることが嫌気されるなど、ユーロ売りが再燃している。ECB理事会は11月7日に開かれるECB理事会において、利下げ観測が浮上するなど、俄かにユーロを手仕舞う動きが優先されている。
一方、先の米財政協議が難航して以降、FRBの量的緩和が長期化するという見方からドルの全面安の展開を強いられていたが、その受け皿としてユーロを買い戻す動きがアジア中銀を中心に急速に買われていた側面が多々ある。月末の利益確定売りなどを踏まえて、過熱感のあったユーロドルは一気に1.36割れまで急落するなど、ユーロ全面安の展開に陥っているが、米ドル自体にもチャート上では売られすぎの感があっただけに、ドルの反動買いによるユーロ売りとも解釈できる。為替相場の原理原則から判断すれば、ドル円も含めて、主要通貨が対ドルでニュートラルになっている段階とも捉えることが出来るだろう。
他方、米株式相場は米国の量的金融緩和が長期化するとの期待がやや後退すると共に、前日比73ドル安の1万5545ドルと続落して引けているが、1万5千ドル台を維持しており、ポジション調整目的による売りと見なすほうが賢明であり、株価自体は依然として、堅調に推移しており、株高円安の傾向が続いている。ドル円98円割れからのショーは自重することが一考であろう。