世界的株高傾向で円売り志向再燃!?
米連邦準備理事会(FRB)が当面の間、資産買い入れプログラムの規模を維持するとの見方が優勢であるが、市場では既に織り込み済みとの観測が広がる中、ドルの買い戻しが急がれている。ドル円98円台の底堅さと共に、ユーロドルの調整売りも散見されるなど、市場はやや様変わりの様相を呈している。
一方、本日発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、現状維持の金利据え置きはほぼ決定であるが、超低金利政策の長期化を踏まえ投資家心理が大幅に改善される中、世界的な株高傾向を更に強めている。NYダウ平均株価は15,688ドルと史上最高値を更新しており、本日の日経平均株価の反発が見込まれている。遅かれ早かれ15,000円台が意識される日も近く、ドル円は再び98円台の足固めと共に底堅い展開が予想されるため、98円割れからのドル円ショートは自重局面にある。ただ、ドル円99円台を意識するには早計ではあり、あくまでも段階的な実需売りをこなしながらの上昇局面と捉えることが得策であり、98円台半ば前後の適宜な水準で戻り売りに専念することは一考であろう。
他方、ユーロドルは、一部報道によれば、アジア中銀を中心に外貨準備比率の変更などにより、相対的にドルからユーロへシフトされているとの観測が有力視されており、1.38台まで急ピッチに上昇していたが、反面、同レベルでは高値警戒感や利益確定売りが散見されるなど、徐々に重石になっている。昨日、ノボトニー・オーストリア中銀総裁はECBの利下げの可能性は低い、そして、中銀預金のマイナス金利は非現実的などと改めて示唆する中、ユーロ高に対しても、中銀が用い得るいかなる手段も見当たらないとも述べている。ユーロ圏内では過度なユーロドル高によるユーロ経済の影響も懸念する声も少なくなく、引き続き戻り売りを優先することがリスクは軽減されるだろう。