ドル売られすぎの兆し!リバウンドに注意?
先週の9月米雇用統計の発表以来、米国の量的緩和縮小期待が大幅に後退する中、ドル売りが一段と加速している。その中、ドル円は日経平均株の大幅な下落が嫌気され、一時97円割れまで下落、そして、ユーロドルは先のユーロ圏PMIに続き、Ifo景況感指数が予想を下回ったにもかかわらず、1.38台半ば前後まで上昇するなどドル全面安の展開に陥っている。ただ、他の主要通貨もドルに対して軒並み上昇を強めていただけに、週末にかけて、ようやくドルロングを解消する動きは一服している。
一方、NYダウは米低金利の長期化を背景に、相変わらず堅調に推移しているが、米政府の債務引き上げなどの財政問題が山積しており、流石に、市場全般には高値警戒感が広がりつつある。当面、株価急落に備えたシナリオも組み入れる必要があるだろう。
他方、ドル円は徐々に上値の重さが意識されており、ドル円100円台を回復するには相当の時間を要するだろうが、同時に、ここ最近の欧州通貨や豪ドル高により、リスク回避による円買い需要も後退しており、下値は限定的になっている。一部ではアジア中銀やヘッジファンド勢によるユーロへのシフトも話題に上っており、ユーロドル1.40台も視野に入りつつあるが、ファンダメンタルズ的には、欧州企業の景況感は冴えない中、景気回復の鈍化も指摘されるなど、主だったユーロ買い材料は皆無に近い状態にある。そして、チャート的にもユーロドルを筆頭に、ポンド、スイス、そして、オセアニア通貨高にも過熱感が生じており、ドルの売られすぎを背景にした、ドルのリバウンドに注視せざるを得ない相場環境にある。