調整主体で掴みどころのない展開!?
市場では米国の量的緩和策が長引くとの見方が支配的であり、ドルの戻りは鈍くなってい
る。反面、ドルロングの解消売りも一段落しており、更にユーロや円を買い上げるリスク
も生じるなど、為替相場は依然としてまだら模様の様相を呈していると言わざるを得ない。
一方、米企業の好決算を受けて、NYダウ平均株価は95ドル高と1カ月ぶりに15,500ドル台の高値圏まで回復している。先の米議会における債務引き上げ問題がいずれは再燃する可能性は高いものの、市場は米超低金利政策の長期化をより重視した格好であり、株価の底堅い状況を作り出している。ただ、株高を背景としたドル買い円売りの相関性が以前よりは希薄になっていることも否めず、ドル円の買い戻しは限定的になっており、ドル円98円台が徐々に重石になっている。
他方、ユーロドルは10月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を下回るなど、特段の買い材料はない中、2年ぶりに1.38台まで上昇基調を維持している。一部ではファンド勢や外貨準備率によるドルからユーロへのシフトとも言われるなど、時期尚早ではあるがユーロドル1.400台が意識され始めている。ただ、急ピッチのドル売りに助長された側面があり、不安定なユーロ上昇局面と言わざるを得ないだろう。当面、高値警戒感を踏まえた戻り売りを優先することが一考であろう。