調整局面入り!ドルの買い戻しに注視?
先の米雇用統計を受けて、早期のQE縮小観測が大きく後退しており、依然として、ドル売り圧力は根強いものがある。その中、株式市場では、低金利政策の長期化を踏まえ、総じて堅調に推移しているものの、昨日の日経平均株価は287円安と3日ぶりに大幅反落するなど調整局面を迎えている。また、高値警戒感を踏まえた利益確定売りも散見されるなど、相対的にドル円の重石になっている。
一方、米債券市場では、米量的緩和が維持されるとの見方から、米10年債利回りが2.5%割れまで低下する中、NYダウは小幅な下落にとどまっている。ただ、米議会のねじれ現象が解消されている訳でもなく、短期筋としても、米財政問題が先送りされた状態ではドルを積極的に買い上げる機運は削がれていることは否めない。
他方、中国5大銀行の不良債権処理が今年上期に前年同期比で3倍増になり、中国当局が金融引き締めを実施との観測が浮上し、中国の短期金利上昇に伴い、中国経済をめぐる懸念が強まっている。それ故に、為替相場では安全な通貨と見なされる円買いに傾斜している。ただ、日本経済自体も貿易収支の悪化やアベノミクス効果を増幅するためにも極端な円高局面は阻止する必要があり、下値は限定的と見なしたほうがリスクは軽減されるだろう。また、急ピッチのドル安の副作用もあり、ある程度はドルのリバウンドに注視し、更にユーロや円ロングを膨らませる難しさがある。