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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米縮小観測後退も雇用統計待ち!ポジション調整主体の展開?

本日発表される9月米雇用統計を控え、市場は全般的に様子見モードに突入している。その中、雇用統計の内容次第では、米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小観測が再燃する可能性も指摘されているが、米政府機関の一部閉鎖により、FRBの量的緩和縮小は来年以降に先送りさとの見方が大勢を占めており、ドル円は引き続き98円前後で試行錯誤を繰り返している。また、他の主要通貨も小幅なレンジ相場と化しているように、米雇用統計待ちの状況にあることは否めない。

一方、米シカゴ連銀のエバンズ総裁が量的緩和第3弾(QE3)について、好調な雇用統計と成長率に関する数カ月分の証拠が必要だと思うとした上、見極められるまでに多分2〜3カ月はかかるだろうと述べており、年内のQE縮小観測はかなり後退している。その影響もあり、NYダウ平均株価の下支え要因になっている側面があるが、反面、市場には高値警戒感が浸透しつつあり、ある程度の調整売りも視野に入れる必要があるだろう。

他方、ユーロドルは先週末に一時1.37台を回復しているが、ここ最近のユーロロングの積みあがりもあり、米雇用統計を控えて、ポジション調整の動きが早まる可能性もあるが、雇用統計の結果を見極めるまではユーロドル1.37台以上からのロングは自重局面にあると判断したほうが無難であろう。そして、米政府機関の一部閉鎖に伴い、一部メディアでは米雇用統計への信憑性が問われているが、発表が延期された以上、数値自体には問題はなく、素直に反応することが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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