米協議会次第も読みきれない展開!?
明日にも米連邦債務の上限の引き上げ期限が迫る中、依然として、与野党協議が難航している関係上、市場全般に緊張感が強まりつつある。その中、米共和下院が2月7日までの債務上限引き上げと、1月15日までの暫定予算との独自案を提示しているが、オバマケアに関する付帯条件がネックとなり、民主党は支持しない方針を示している。また、一部では、民主党は共和党との協議を一旦中止などの噂もと伝わるなど、米協議会自体がジレンマ状態に陥っており、市場参加者は米議会の進捗状況を横目に安易に動けない相場環境になっている。
一方、格付け会社フィッチは米国の格付けをウォッチネガティブに指定。AAAから格下げる可能性示したことから、ドル売りが進行し、ドル円は一時98円割れするなど、上値の重さが意識されているが、アベノミクスへの期待感から実需の円買いニーズは少なく、下げ幅は限定的になっている。
他方、米国がデフォルトに陥る可能性は低いものの、米国債利回りが上昇過程にあるように、徐々に米国債離れが進行する兆しがあり、市場は持ち高調整主体でドルの戻り売りを優先せざるを得ない状況である。今後、米政府は暫定的な財政予算案で妥協すると思われるが、潜在的なデフォルト懸念を残す格好でもあり、市場の混乱は避けられない情勢にある。
ただ、うがった見方であるが、リスク回避を背景とした逃避通貨でもあるユーロドルや円に依存できるかは甚だ懐疑的であり、為替相場の相関性や米ドルの優位性を重んじれば、更なるドルショートの限界もあり、相場が大きく動意づいてからの始動が得策であろう。