米財政懸念折込済み!ドルの買い戻し限定的??
米財政問題を巡り、依然として、政府と議会との調整が難航する中、様々な情報が錯綜している。現段階では楽観的な見方がやや優勢ではあるが、市場は17日迫る債務上限引き上げ期限を前にして、全般的に積極的に仕掛けづらい相場環境に直面している。
一方、米連邦債務の上限引き上げを巡って与野党の協議が進展するとの期待感が広がる中、NYダウ平均株価が1万5301ドル高と約2週間ぶりの高値圏で引けており、ドル買い円売りに傾斜している。ただ、オバマ米大統領は、議会の与野党指導部をホワイトハウスに招いて協議を行う予定であったが、上院で与野党の協議が続けられていることを理由として、延期されるなど、未だに予断を許せない状況にはある。とは言え、与野党共にデフォルト(債務不履行)を回避するためにも選択肢は限られており、今日明日中にも何らかの形で合意を目指すしかないのが実状なのかもしれない。
いずれにしても、市場は与野党の合意内容を見極めてから始動にならざるを得ないが、楽観論がやや先行している嫌いもあり、株高を背景とした円売り圧力が強まる可能性がある。ただ、オバマ米大統領の強気な意向がどこまで合意案に反映するかに委ねられており、ある程度のレンジ幅を想定した上で少な目のポジショニングで臨むことが得策であろう。
他方、ユーロ圏では、財政難にあるスペインなどの救済プログラムを年末までには成功裏に終える旨が伝えられており、ユーロドルの底堅さにも繋がっているが、市場は米財政問題の成り行きに焦点が当てられており、ユーロ主導の展開は望みにくく、過度なユーロ高期待は自重局面にあるだろう。