米デフォルト回避も視界良好とは言えず!?
ベイナー米下院議長(共和党)共和党は予算案でオバマ大統領との協議を終え、オバマ大統領は無条件の6週間の債務上限引き上げ法案に調印する旨の報道が伝わっている。ただ、一部政府機関の閉鎖解除は盛り込まれてはおらず、未だに視界良好とは言い切れない状況にあり、ドル円は98円台を回復したものの、上げ幅自体は限定的になっている。
一方、NYダウ平均は財政を巡る米与野党の協議が進展するとの期待が高まる中、一旦米国のデフォルト(債務不履行)は回避されると共に、米金融緩和縮小時期が遠のいたとの見方などが好感され、前日比323ドル高の1万5千ドル台を回復している。そして、市場には安堵感が芽生えると共に、本日の日経平均株価も上昇に転じる可能性が強く、ドル円は98円台で底堅い展開が予想される。反面、98円台半ば前後からは実需やポジション調整売りが散見されているだけに、あくまでも段階的な上昇局面とみなす方が賢明であろう。
他方、米議会が財政問題に揺さぶられる中、本日からG20、そしてG7も非公式に開催されるが、話題は米経済の動向に絞られている。各国からは世界経済の安定を背景に、米経済の信頼回復などの要望も受けて、米政府は前向きな方針を取らざるを得ないだろうが、ただ、市場参加者としては、今後も米議会の進捗状況を図りながらのポジショニングに専念せざるを得ず、ドル円ならびにユーロドルも直近のレンジ幅で対応することが一考であろう。