リスク回避優勢も膠着感強まる!?
米財政協議が難航する中、市場は先行き不安を背景としたリスク回避によるドル売りが優勢になっている。ドル円はジリジリと下落基調を強め約6週間ぶりに96円台半ば近くまで円高圏内に突入している。ただ、即座にドル円95円割れを意識するような展開ではないが、米政府機関の閉鎖や債務上限の引き上げ問題に向けた解決策が見出せていない以上、更なる円高局面を考慮しなければならないだろう。
一方、先に、オバマ大統領は、米国のデフォルト(債務不履行)回避に向けた如何なる異例の措置の発動も想定していないと述べているが、米上院金融委員会は債務上限問題に関して、10月10日にルー米財務長官の公聴会を開催すると発表しており、何らかの進展が見られるとの期待感も浮上している。債務上限引き上げに反対する共和党のベイナー下院議長に対して、牽制的な発言にとどまる公算が高いが、瀬戸際にあるオバマ大統領が財政協議で条件交渉に応じる旨を匂わす可能性もあり、依然として、神経質な展開を余儀なくされている。
他方、ユーロドルはリスク回避による急ピッチのドル売りに圧された格好で底堅い展開を見せている。ただ、米財政問題が米経済や金融市場に与える悪影響への警戒感が一段と高まっている関係上、投資家全般には運用リスクを避ける動きが強まっており、過度なユーロドル高期待は希薄になっており、引き続き戻り売り優先の展開を強いられている。