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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米ドル買い相場接近中⇒ドル円113円とユーロドル1.2900。

先週は詰まるところ米雇用統計に振り回された感が強いが、そもそもADP社の統計調査が過去に置いても信頼性の薄い予測であったことが判明し、北朝鮮のミサイル問題も含めて、人騒がせな結果と言える。 しかしながら、俄かに米ドル利上げ観測が払拭される状況であるが、ドル円相場が113円台を見せたことから、狼狽的な米ドル売りにも限りが見られる状況である。

▲週初はポジション調整の米ドル売りが上値を重くさせるが、レンジ相場を突破するには、更なる米ドル売りの材料が必要である。 市場の流れからは、金利打ち止めを前提にした米ドル売りが先行するだろうが、利益確定の買いとポジション解消の動きも含めて、輸入企業の実需の買いも113円台からは執拗になると見るべきであろう。基本的には再度レンジを下げての見直しの時期でもあり、米金利の利上げが遠のいた感はあるが、完全には捨て切れないことを想定した上でのシナリオが要求される。相対的には米ドルショートが優先されるべきであるが、利益確定とポジション解消の米ドル買いを待ってからの米ドル売りを勧めたい。 
115前後の米ドルショートでなければ妙味も薄い相場であるが、もう一段の円高期待が高まるレベルでもあり、国内では日銀金融政策決定会合における、利上げのメドも想定できる段階でもあり、当然ゼロ金利解除に向けての期待感は増すが、40〜50銭程度の円高効果と考えた方が賢明であり、113円台半ばから113円割れではポジションの調整買いも必然的に増えると見るべきであろう。日米金利格差を考慮しても、過度な米ドル売りは自重したい相場である。

▲ユーロドルも1.2900を追う展開にはなるが、ドル円同様に過剰な米ドル売りには、金利打ち止めの報がなければ、1.3000までには届かない相場であり、もう一段の上昇が発生すれば、1.29前後では適宜なユーロドル売りを摸索することが賢明な相場であろう。
いずれにしても、米雇用統計の悪化を受けて、相対的にも米経済指標の悪化報道には敏感であるマーケットだけに、当面は米ドル売りに比重を置くことが賢明であるが、加速的な状況ではなく、基本はポジションの拡大をせずに、適宜な利益確定に徹するべきである。 特に米貿易収支の巨額な赤字が再認識されることも考えれば、どうしても、米ドルの上値が重くなるのは必然であるが、あくまでも段階的な米ドル安のイメージを大事にしたい相場である。

******今週のペットでも判る簡単チャート『事前予測実施中』******
作成年月日 2006年7月09日(日) 週末の終値ベースで予測 

チャート上では米ドルが売られやすいトレンドにある。 米ドルが買い戻し作業に入るには、もう一段の米ドル売りがなされてからと見るべきである。 リスク回避を最優先にすれば、当面は、前々回でも述べたようにドル円113円、そして、ユーロドル1.2900レベルまで待ってからの米ドル買いであるが、基本的には米ドル売りレベルに移行しているため、チャンスを逃さない為には現状レベルから少な目の米ドル売りを仕掛け始めるのも賢明な策であろう。No.7US$参照 
 
ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円) 平均乖離幅0.0950 現状乖離幅0.1165→0.095
先週のドル円114.50弱めの売りから今週はニュートラルレベルのドル円114.00円に接近中→ユーロドル1.2810=ユーロ円146.05円(0.7806―.6847=0.0958)但し、チャート上ではドル円の売りシグナルが114.00円でも弱めに点灯中であるため、113円台半ばでは利益確定の買い局面である。様子見がベストの選択である。過去の週間乖離幅とドル円売買シグナルは下記の通りである。
0.1203(ドル円売り117.50)→0.1210(ドル円売り118.30)→0.1234(ドル円売り116.60)→0.0870(ドル円買い113.80)→0.0969(ドル円113.95様子見)→0.1041(ドル円売り115.15円)→0.1133(ドル円売り116.50)→先週0.1165(ドル円売り114.50) (No.8参照 ドル円)

ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅25円 現状乖離幅31.95→32.05円
現状1.2810売りシグナル点灯中。乖離幅が激しく変化しており、27~28円の乖離ではユーロドルの買いポジションも一考すべし、過去一週間ごとの売買シグナルは次の通り。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り←1.2030買い→1.2269売り→1.2096買い→1.2627売り→1.2729売り→1.2921売り→1.2778売り←1.2742売り→1.2917売り→1.2640売り→1.2644売り→1.2510一部買戻し

豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅 29.40→28.30円
6月中の買いシグナル0.73台も売りのレベル達し、先週の0.7517の売りでポジション解消。様子見レベルであるため、乖離幅の動きを待ってからの始動になる。

NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅37円 現状乖離幅44.75→44.30円)
依然として、NZドルが弱さを見せている。今週も引き続き0.6114で買いシグナルが点灯中。週間ごとの売買シグナル=0.6082買い→0.6334買い→0.6380買い→0.6422売りポジション解消→0.6200様子見→0.6335様子見→0.6300弱い買い→0.6179買い→0.6082買い→0.6091買い

カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15 現状乖離幅11.90→11.60円)
買いシグナルが継続しているが、今週も1.1132で買いシグナル点灯中。当面の売買シグナルは1.10台の買いと1.22台の売りに照準をあわすことが可能である。過去の数週間の買いシグナルは1.1057→1.1099→1.1180→1.1065→1.1010→1.1063→1.1229→1.1229→1.1160

ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅25円 現状乖離幅17.35→17.05円)
ドル円114.00x2=228.00−ポンド円210.95=乖離幅17.05円
乖離幅が大きく変化しているようにポンド上下動もはげしい、再び売りレベルのシグナルが1.8504で点灯中。先週までの乖離幅の流れの推移は30円→25→20→15→10→13.45→15.90→13.25→17.20→21.20→17.35円            
ちなみに乖離幅による売買の目安は以下の通り
30円=1.7400、25円=1.780、20円=1.8250、15円=1.86,10円=1.89である。
  
スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅25円 現状乖離幅20.90→21.00円) 
先週から動きは穏やか、一部売りの解消も検討したが、先週の買い1.2233に引き続き、今週も同レベル1.2231で買いシグナルが点灯中。週ごとの買いシグナルの推移は以下のとおり。1.2261→1.1981→1.2165→1.2250→1.2088→1.2306→。2309→1.2487→1.2233である。

豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅15.35→16.00円
先週乖離幅15円台に拡大したが、再び最大幅16円まで拡大している。現段階からの豪ドル売り/NZ買いならばリスクも限定的、金利差も含めて、中期思考で持ちたいポジションである過去の週間推移は以下の通りです。9.30→10.75→11.80→11.90→13.95→13.05→13.80→14.60→16.00→15.45→13.95→13.60→13.00→13.85←14.40→15.35円
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(250円以下は円高&260円以上は円安の目安) 
7月の先週は260.95円と円安傾向であったが、途中経過では263円までの円安も見られた様に円安傾向が強まったが、最終的にはドル円114.00+146.05=260.05と元の鞘に収まったが瞬間的な円安に注目したい局面である。
2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.44 6月平均259.28 7月第1週は260.95円 円安傾向により、ユーロ円売り/ドル円売りの局面に注視。

● 欧州通貨ペア(週間毎の過去の経緯)

ユーロポンド 平均乖離65円 現状乖離幅65.20→64.95円)
乖離幅はニュートラルレベルであるが、チャート上では売りシグナルが0.6921で点灯中
週ごとの売り0.6941→0.6974→0.6939→0.6915→0.6924→0.6922→0.6822
買いシグナル0.6789。

ユーロスイス(平均乖離50円 現状乖離幅54.85→52.85円)
依然として弱めの売りシグナルが1.5670で点灯中。 1.5717売り→1.5775売り→1.5811売り←1.5742様子見→1.5725様子見→1.5744→1.5653売り→1.5607様子見→1.5544様子見→1.5613売り→1.5621売り→1.5646売り

ポンドスイス(平均乖離25円 現状乖離24.45→24.60円)
先週は買いシグナル2.2612が点灯したが、今週も2.2639で買いシグナルが点灯中。過去の週ごとの経緯は2.2986売り→2.2763買い→2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2614買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2742買い→2.2651買い→2.2779売り様子見→2.2612買い
新外為の森 参照

★ 本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの
始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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