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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米政府機関閉鎖は短期間!?

米財政協議は最終的に決着が見られない中、一部の米政府機関が閉鎖に追い込まれているものの、短期間で終了するとの見方もあると同時に、すでに悪材料としては織り込み済みとの思惑からドルを積極的に売り込む難しさがある。その中、米労働統計局は政府機関が閉鎖中は経済データの収集や発表は行わないと改めて示しており、今週末予定されている米雇用統計が遅れる可能性が高まっており、市場参加者は米財政協議の成り行きを注視するしかなく、相対的に積極的な売買は手控えられている。ただ、米新規失業保険申請件数は予定通り発表される見通しであり、依然として、米雇用統計の動向に注目が寄せられている。

一方、懸念されたNYダウ平均株価は米政府機関の閉鎖にもかかわらず、前日比62.03ドル高と反発している。昨日発表された9月のISM製造業景況感指数が56.2と前月から改善したことが株価の押し上げ要因になっているが、反面、米政府機関の閉鎖期間が長引けば、米経済に対する悪影響が想定されるため、株価の押し上げ材料としては脆弱性があり、積極的にドルを買い上げる機運には至っていない。その中、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での量的緩和(QE)縮小の可能性はほぼ無くなったと見方が支配的であり、株価の押し上げ材料としての可能性も捨てきれないのが現状であろう。

他方、ユーロドルは一時1.36台を窺う展開を見せていたが、ドル売りに助長された側面が多々あり、引き続きイタリアの政局不安があるため、上昇局面では利益確定売りに圧された格好で上げ幅を解消している。当面、1.35台以上からのロングは自重することが一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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