外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >ポジション調整売り優先!ドル円99円台&ユーロドル1.35台が重石?

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ポジション調整売り優先!ドル円99円台&ユーロドル1.35台が重石?

連日のように各連銀総裁の発言が続いている中、昨日はダドリーNY連銀総裁が年内のQE縮小開始の可能性は排除していなかったものの、FRBは6月に想定していたよりも鈍い経済成長を見込んでいると発言、未だに米当局による年内の緩和縮小期待は強いが、市場は全般的に相次ぐ要人発言の影響を受けて、年内QE縮小開始に疑問符が打たれている。その中、米10年債利回りは一時2.65割れまで低下するなど、日米金利格差の縮小を伴い、ドル円は一時98円台半ば割れの展開を強いられているが、依然として、小幅なレンジ相場の域を脱してはいない。

一方、昨日発表された米9月消費者信頼感指数において、米労働市場に対する慎重姿勢が示されたため、NYダウ平均株価は終始軟調に推移しているが、早期の量的緩和縮小が見送られた関係上、下げ幅は限定的になっており、株安円高の構図は描きづらい外部環境にある。

他方、ユーロ圏では、先のドラギECB総裁に次いで、クーレECB専務理事は必要であれば、追加LTROの用意もあると含みを持たせている。ここ最近のユーロ経済指標は改善の兆しがあるものの、市場には依然として、利下げ観測が根強い中、一部メディアではイタリアの格下げ論が浮上しており、ユーロドルは1.35台ではポジション解消や利益確定売りに圧される格好で伸び悩んでいる。いずれにしても、市場の手がかり難は否めないが、円ショートの積みあがりを含めて、ユーロ並びに豪ドルなどにも利益確定売りが優先されているため、ドル円およびユーロドルも戻り売りが優先されやすい相場環境になっている。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド