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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

FRB金融緩和縮小一旦後退!調整色強まる?

特筆すべき材料のない中、相対的に株式市場の軟調を背景にやや円の買戻しの動きが優勢になっている。株価に対する過熱感も踏まえた利益確定売りに圧されて、NYダウが小幅反落しており、ドル円は99円割れへと小幅反落している。

一方、要人発言が相次いでいるが、先週、セントルイス連銀総裁は指標次第では10月のQE縮小の可能性に言及、金融緩和の縮小判断は境界線上にあったが、雇用回復の弱さやまちまちの経済指標が縮小見送りの議論となったこと改めて指摘している。反面、カンザスシティー連銀総裁は、FOMCで債券購入を縮小しなしの決定には失望していると述べ、最終的な利上げに向けて段階的に動かなければならないとしている。
そして、昨日、ダドリーNY連銀総裁経済は依然として緩和的政策が必要であり、失業率6.5%達成にはかなりの時間がかかる可能性を指摘、ロックハート・アトランタ連銀総裁は資産購入策を支持する中、10月のFOMC会合までに足元の経済が大幅に変えるような構造には至っていないと言及、そして、先のFOMCの決定に異論を投げかけたフィッシャー・ダラス連銀総裁は何もしなければ将来の政策遂行の不確実性が増すとも言及しているが、相対的にFRBの金融緩和縮小をめぐり、不透明感は拭えない状況になっている。

他方、ドラギECB総裁は、ギリシャが第3次支援必要かどうか判断するのは時期尚早であるが、ユーロ圏は緩やかな回復が続くとしている。ただ、金融政策は依然として緩和的であり、ECBの政策金利は長期間、現在より低いレベルであり続けるとし、必要なら別の手段を使用する用意する旨を述べており、ユーロを積極的に買い上げる機運には至っていない。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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