FOMCの失望売り!ドル売られすぎ?
FOMCで現行の量的緩和政策である月額850億ドル規模の資産購入の縮小が見送られたことでサプライズ的にドル前面安の状況を作り出している。市場では証券購入額の段階的な縮小を決めるとの観測が広がっていた矢先だけに、ストップロスをドル売り巻き込む格好でドル円は99円前後から98円割れ、そして、ユーロドルも節目である1.35台を難なくクリアーしている。
一方、同時に発表されたFOMC経済見通しでは、2014年成長率見通しが下方修正され中、FOMC声明では景気回復の進展を確実に見届けるまで判断を待ちたいと慎重な文言に終始している。米景気に関しては、穏やかなペースでの回復が続いているが、現行の証券購入ペースは変更しない旨を発表している。そして、FOMC後のバーナンキFRB議長の会見では、米国の経済成長は緩やかとし、失業率は容認できる水準ではなく、失業率G6.5%へ低下するまで利上げしない可能性もあると指摘、量的緩和縮小に関しては、経済データ次第では年内に最初の措置講じる可能性に含みを残してはいる。
相対的には新興国のドル流動性問題や景気回復の先行指数でもある株価への影響を配慮したとも考えられるが、事実上、量的緩和縮小縮小は来年以降に持ち越されるとの見方が支配的になっている。
他方、今回の先送り措置でドルの上値は限定的と言わざるを得ないが、米長期金利の低下を背景に、堅調な株価推移が見込まれるだけに、今後も株高を背景とした円売りニーズは健在であり、また、ユーロ圏経済の進展も見られていない以上、過度なドル安局面には陥りにくい相場環境にあると見なしたほうがリスクは軽減されるであろう。