もみ合い相場継続!ドル円戻り買い優先?
シリア情勢が混沌とする中、シリアのアサド大統領は、ロシアの要請に従う形で、化学兵器に関する情報の国際機関への開示は化学兵器禁止条約加盟の1ヵ月後に始めると述べている。ただ、化学兵器禁止条約に加盟する際には、米国がシリアに対する軍事介入をやめることを条件に挙げているなど楽観視はされていない。今後は米ロが協調して、具体的な打開策に臨むであろうが、シリアは未だに内戦状態であり、化学兵器を完全に廃棄処分するまでは少なくとも2〜3年は要する旨が伝えられている。いずれにしても、米国とロシアの駆け引きが続く中、シリア情勢は一旦小康状態にあることは間違いなく、市場は全般的にポジション調整主体の展開を強いられている。
一方、ドル円は、豪州連邦統計局が発表した8月の雇用統計で就業者数が予想外のマイナスになったことで豪ドル円が急落、その影響を受けてドル円は99円割れ寸前まで下落したが、それ以外の売り材料は乏しく、ドル円は実需並びにポジション調整売買に挟まれ、99円台半ば前後で試行錯誤が続いている。
他方、来年4月に消費税率を現行の5%から8%へ予定通りに引き上げる方針を固めたとの報道がなされたが、市場はすでに織り込み済みであり、為替市場への影響は限定的であるが、日本政府としても、今後も2%以上の成長戦略を高めるためにも、あらゆる悪材料を払拭せざるを得ない状況にあり、当面、円を積極的に買いあげる機運は削がれていると判断するのが無難であろう。