ドル円100円台目指す展開!?
市場の関心は東京オリンピック開催から再びシリア情勢の動向に移行している。ロシアのラブロフ外相が、軍事攻撃を回避できるならシリアに対し化学兵器を国際管理下に置くよう要請しており、シリア側も受け入れる姿勢を示しており、シリアへの軍事攻撃回避への期待が高まりつつある。また、ケリー米国務長官はアサド大統領がすべての化学兵器を来週中に国際社会に引き渡せば、攻撃を回避できる可能性を示唆しており、何らかの打開策が講じられるとの見方が先行しており、市場全般に安堵感が広がる中、安全通貨であるドルや円を買い戻す動きは一服している。
一方、ドル円は100円台を目前で伸び悩んでいるが、今回のオリンピック開催により、株価の上昇が見込まれると共に、昨日発表された4―6月期実質国内総生産(GDP)2次報値が予想を大幅に上回ったことから、円安基調は顕在化しつつある。
その他では、消費税引き上げ問題は既成事実化しているが、むしろ、消費税問題が棚上げされた場合には、財政難も含めた国債信用力の低下を促すリスクがあり、同時に、株価の上昇を妨げる可能性もあるため、日本政府としては、株価維持のためにも、ドル円100円台を安定化させたい狙いがあり、当面、100円台を目指す展開は避けられないだろう。ただ、同レベルでは実需並びにポジション解消売りが控えており、ドル円100円台半ば前後が精一杯の感は否めない相場環境にもある。
他方、ユーロドルは段階的に1.32台半ば前後まで上昇を速めているが、ドル売りや円安に助けられた側面があり、ユーロ主導の展開ではなく、過度なユーロ高期待は自重局面に差し掛かっている。ただ、来週に控えているFOMCにおいて、早期の金融緩和縮小が後退する可能性もあり、ユーロの下値も限定的と言わざるを得ない。