ドル円再度100円台も不安定な上昇局面!?
ロシアで開かれているG20において、シリアへの軍事介入をめぐっては、依然として、不透明感が漂う中、様々な物議をかもし出しているが、体制的には、小規模な軍事行動にとどまる公算が高まりつつあり、市場への影響が限定的との見方が優勢になっている。その中、米長期金利が心理的節目である3%に迫り、日米金利差拡大を背景にドル円は再び100円台へと底堅さを取り戻しつつある。ただ、為替及び金利共に不安定な上昇局面には変わりがなく、積極的に買い上げるほどの機運には至っておらず、引き続き、大量の実需や利益確定売りをこなしながら神経質な展開を余儀なくされている。
一方、今晩の米雇用統計を控える中、昨日発表されたADP雇用者数が市場予想をやや下回る増加にとどまった反面、ISM指数の構成要素である雇用指数の強さから、一部では非農業部門雇用者数の増加幅は20万人を上回る可能性も指摘されるなど、相対的にドルの追い風になっている。
他方、ドラギECB総裁の会見では、前回に引き続き慎重姿勢を示す中、理事会はECBの政策金利が長期にわたり現在または現在を下回る水準にとどまると予想、そして、成長リスクは下向きであり、利下げの協議が排除されてはおらず、必要に応じて適切な行動をとる用意がある旨を改めて表明している。ユーロドルはECBの利下げ観測がくすぶる中、段階的に下げ基調を強めており、上値の重さが意識されている。