軍事介入先送りもドル円100円台重石!?
オバマ米大統領はシリア攻撃について議会に承認を求める考えを表明し、米国がシリアへの早期攻撃に踏み切るとの懸念がひとまず後退する中、昨日発表された8月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は1年4カ月ぶりの高値圏まで推移するなど、相対的にリスク回避の動きは和らぎつつある。その中、リスクオフの巻き戻しによるドル買い円売りが強まり、ドル円は99円台半ば近辺まで急回復している。ただ、軍事介入が先送りされている段階なだけに、ドル円100円台をイメージするほどの機運には至ってはおらず、更にドルを買い上げるリスクも生じている。
一方、シリア情勢が一服したことを受けて、原油価格が続落するなど市場は冷静さを取り戻しつつある。ユーロドルは足早に1.32割れへと下落基調を強めている。とは言え、ドル円と同様にあくまでもドルの巻き戻しによる調整局面であり、過度なユーロ安は自重することが一考であろう。
他方、市場の関心は徐々に週末の米雇用統計に移行する中、5日のG20首脳会議においてシリアの化学兵器使用が問題視されるだろうが、国連の調査団の分析結果待ちの状況から判断しても、軍事介入に関しての進展は見られないとの思惑が先行している。ただ、米国が化学兵器使用に何らかの証拠を明らかにする可能性も高く、他国からある程度の賛同が得られた場合には、改めて軍事介入の必要性を意識せざるを得ず、再度ドル売り圧力が増す可能性は否定できないだろう。