軍事介入一旦後退!リスク回避の円買い根強い?
シリア情勢が混迷を極める中、オバマ米大統領は米政府としてシリアのアサド政権による化学兵器使用を断定し、行動すべきであるとの見解を表明している。ただ、具体的な軍事介入に際しては米議会の承認を求めると述べており、シリアへの攻撃は事実上、米議会が再開する9日以降に持ち越された格好である。
一方、国連調査団はシリアでの化学兵器使用疑惑めぐる調査を完了したものの、専門家による解析結果が判明するまでには、少なくとも3週間程度は要すると発表しており、早期の軍事介入は後退せざるを得ない状況にあり、有事のドル買い及び円買いに一服感が生じている。
他方、オバマ米大統領は5日からロシアで始まるG20において、米仏と共同で軍事介入の支持を訴える模様であるが、すでに英独が否定側に回っており、賛同を得られるかは甚だ懐疑的であることは否めない。とは言え、ケリー米国務長官はシリア政府が今年化学兵器を複数回使用したことは判明しているとし、米国は独自のタイムラインで行動することを言及している。引き続き、米国は限定的な軍事介入を実施する可能性は強く、今後、軍事介入が実施されれば、潜在的にリスク回避の円買いに走る可能性は残されている。
いずれにしても、今週はシリア情勢中心の動きが予想されるが、重要指標である米雇用統計なども控えている関係上、相場の難易度が更に高まっているだけに、通常よりはレンジ幅を拡大し、逆張り待機で臨むことが一考であろう。