シリア情勢に振り回される展開!レンジ相場継続?
シリア情勢の緊迫化が懸念される中、オバマ米大統領は今回の軍事介入は限定的で状況に応じた攻撃であり、将来の化学兵器攻撃を抑止する威嚇射撃になる旨が伝えられたことを受けて、シリア情勢緊迫化に対する過度な懸念が後退しつつある。その中、過剰反応していた米株や債券利回り、そして、為替相場も反転するなど、依然として、相場事態は不安定な展開を強いられている。
一方、ドル円はリスク回避を背景とした円買い需要から一時96円台に突入したものの、97円台後半まで回復するなど相対的なポジションの巻き戻しが優先されている。ただ、シリア情勢をめぐる不透明感は払拭されておらず、引き続きドル円の上値を抑える展開も予想されるだけに、ドル円98円台からのロングは自重局面にあると判断するのが一考であろう。
他方、シリア情勢の緊迫化を受けて、原油価格が2年4ヶ月ぶりに1バレル110ドル台まで上昇しているにもかかわらず、ユーロドルは終始軟調気味に推移している。昨日、カーニー英中銀総裁が講演で金融状況が逼迫し回復が力強さに欠ける恐れがあれば、追加刺激策を検討する考えを示したことかユーロポンド売りを誘発させており、ユーロドルの重石になっている。
いずれにしても、シリアへの攻撃開始がどのような形で実施されるかが問題ではあるが、一旦攻撃が開始されれば、再びリスク回避の動きが強まると同時に、相場全体のかく乱要因になることが避けられない状況なだけに、当面、直近のレンジ幅を拡大し、待機姿勢で臨むことが得策であろう。